なんじかんかもぐるとうみのそこにつきました。そこには、とてもうつしくおおきいおしろがあるではありませんか。
「ここがりゅうぐうじょうです。どうぞおはいりください。」
と、かめにうながされてはいると、なかはおおきなひろまがあり、そのまんなかにひとりのうつしいじょせいがたっていました。
「わたが、このしろのあるじをしているおとひめです。かめをたすけてくださりありがとうございました。ゆっくりしていってください。」
おとひめは、ごうかなりょうりとたいやひらめたちのおどりで、うらしまたろうをもてなしました。
りょうりのあと、おとひめは、うらしまたろうをおくのしほうをとでかこまれたへやにつれていきました。
「うみのそこにはきせつががありませんが、しほうのへやではそれぞれはるなつあきふゆのきせつをたのしめます。どうぞすきなへやでたのしんでください。」うらしまたろうは、おとひめにさそわれるまま、
ひがしのはるのへやでは、おはなみを
みなみのなつのへやでは、かいすいよくを
にしのあきのへやでは、おちばひろいを
きたのふゆのへやでは、ゆきあそびを
なんにちもなんにちも、ときがたつのもわすれてたのしみました。
しかし、そんなすばらしいひびでもさんねんすぎるとあきてきたうらしまたろうは
「ちちもははもしんぱいしているでしょう。そろそろかえろうとおもうのですが」
「そうですか」
おとひめはさびしそうにいって、
「それではこれをおまちになってください」
おとひめがわたしたのはちいさなたまてばこでした。
「ただし、なにががあってもあけないでくださいね」
あけるなというものをもたせるとはどういうことだろうかと思いましたが、浦島太郎は喜んで受け取りました。
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