浦島太郎　第1話

昔(むかし)、昔(むかし)、丹(たん)後(ご)という国(くに)に浦(うら)島(しま)太(た)郎(ろう)という人(ひと)が住(す)んでいました。
ある日(ひ)のこと、海(かい)岸(がん)を歩(ある)いていると、一(いっ)匹(ぴき)の亀(かめ)が子(こ)供(ども)達(たち)に虐(いじ)められていました。
可(か)哀(わい)想(そう)に思(おも)った浦(うら)島(しま)太(た)郎(ろう)は子(こ)供(ども)達(たち)に
「こら、虐(いじ)めは良(よ)くないから止(や)めなさい。亀(かめ)さんが可(か)哀(わい)想(そう)じゃないか。」
と言(い)って亀(かめ)を助(たす)けて上(あ)げました。すると亀(かめ)が
「助(たすせ)けて頂(いただ)き、本(ほん)当(とう)にありがとうございました。お礼(れい)と言(い)ってはなんですが、竜(りゅう)宮(ぐう)城(じょう)に招(しょう)待(たい)します。私(わたくし)の背(せ)中(なか)に乗(の)って下(くだ)さい。」
と浦(うら)島(しま)太(た)郎(ろう)を竜(りゅう)宮(ぐう)城(じょう)に招(しょう)待(たい)しました。
浦(うら)島(しま)太(た)郎(ろう)は、
「ありがとう。では、少(すこ)しだけお邪(じゃ)魔(ま)させてもらうよ。」
と招(しょう)待(たい)を受(う)け竜(りゅう)宮(ぐう)城(じょう)に行(い)くことにしました。
亀(かめ)の背(せ)中(なか)に乗(の)って海(うみ)に入(はい)ると、あら不(ふ)思(し)議(ぎ)海(うみ)の中(なか)でも息(いき)が出(で)来(き)るではありませんか、
「亀(かめ)の背(せ)中(なか)に乗(の)ると、亀(かめ)の魔(ま)法(ほう)で息(いき)が出(で)来(き)るんですよ。安(あん)心(しん)して乗(の)っていて下(くだ)さいね。」
と亀(かめ)が浦(うら)島(しま)太(た)郎(ろう)にいいながら、スイスイ海(うみ)の奥(おく)に潜(もぐ)って行(い)きました。
海(うみ)の中(なか)は光(ひか)り輝(かが)き、美(うつ)しい魚(さかな)の群(むれ)れが次(つぎ)々(つぎ)と挨(あい)拶(さつ)をしていきました。

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