七夕 第2話
天ていは、そんな二人を心配して、ある日、岸にたたずんでいた二人に言いました。
「織ひめ。また一生けん命、機を織るのなら、ひこ星に会えるようにしてあげましょう。約束できますか？」
織ひめは、ひこ星に会えるのであればと思い、
「はい」
と、返事をしました。
「ひこ星よ。もう一度一生けん命田畑を耕すのなら、織ひめに会えるようにしてあげましょう。約束できますか？」
ひこ星も、織ひめに会えるのであればと思い、
「はい」
と、返事をしました。
「約束しましたよ。では毎年、七夕の夜には、ここに来て二人会えるようにしましょう。」
そして、初めての七夕の夜に、二人は天の川の岸に立って、おたがいに、向こう岸をながめていました。
すると、どこからともなく、かささぎが飛んできて、織ひめの足元におりり立ちました。ひこ星の方にも、同じように別のかささぎがおり立ちました。
「天ていの命により、お二人のかけ橋になりに参りました」
と、かささぎが言いました。
すると、次から次へとかささぎが飛んできて、つばさを精一ぱい広げ、おたがいのつばさをつなげていきました。見る見るうちに、天の川にかささぎの橋ができました。織ひめとひこ星は、両方からかささぎの橋をわたって行きました。
こうして二人は、一年に一度だけですたが、七月七日の七夕の夜に会うことが出来るようになりました。
めでたし、めでたし。
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