七夕 第1話
昔、昔、天の神様の天ていには、織ひめというむすめがいました。
織ひめは、機織りがとても上手で、毎日、毎日、機を織っていました。
そんな、織ひめについて天ていは
「年ごろになったむすねに、いい結こん相手はいないか」
と、結こん相手さがしていました。
そんな時、働き者の牛使いのひこ星が、天ていの目にとまりました。
天ていが、二人を合わせたところ、
「何と美しい方ですね。お名前を教えて下さい。」
「織ひめと申します。あなたのお名前は?」
「わたくしは、ひこ星と申します。」
二人はたちまちおたがいの事がが好きになり、結こんすることになりました。二人はとても幸せでした。
しかし、二人の仲が良すぎたので、こまったことが起こりました。
あれほど機を織るのが好きでだった織ひめが、機には見向きもしなくなり、機を織らなくなってしまいました。
あれほど働き者だったひこ星も、牛をひいて、田畑を耕すことを、一切せず働かなくなってしまいました。
二人を、見守っていた天ていは、これを見ておこってしまいました。
天ていは、二人の間に、天の川を流し、二人を会えなくしました。
天の川の川はばは広くて、どんなに大声でさけんでも、向こう岸には聞こえません。まして、すがたを見ることはとう底出来ませんでした。
織ひめは、ひこ星に会えなくなったさみしい日びをまぎらすために、また機を織ろう思いました。しかし、機の前にすわっても、なみだが出てくるばかりで、ひとつも仕事がはかどりません。
ひこ星も、毎日思いにふけるだけで、仕事が手に付かず、午をひかなかったため、田畑はあれれていきました。
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