うら島太ろう　第3話

かめのせ中(なか)に乗(の)って陸(りく)に帰(かえ)ったうら島(しま)太(た)ろうは、家(いえ)をさがしましたが見(み)つかりませんでした。
「野(の)山(やま)も海(うみ)も、りゅう宮(ぐう)じょうに行(い)った日(ひ)のままなのに、家(いえ)は無(な)くなってしまった。どうしたことなんだ。」
こまり果(は)てたうら島(しま)太(た)ろうは、人(ひと)を見(み)つけて聞(き)いてみみました。
「今(いま)から三(さん)百(びゃく)年(ねん)位(くら)前(まえ)に、かめに乗(の)って海(うみ)の中(なか)に入(はい)って行(い)ったわか者(もの)がいて、そのまま帰(かえ)って来(こ)なかった。残(のこ)されたわか者(もの)の父(ちち)と母(はは)は、わか者(もの)をさがしたが見(み)つからず。街(まち)を出(で)ていった。という話(はなし)をじいさんから聞(き)いたことがある。」
と教(おし)えてくれた。
「あれから三(さん)百(びゃく)年(ねん)たってしまって、父(ちち)も母(はは)もなくなってしまっただろう。わたしはどうしたらいいんだ」
と方(ほう)にくれ、おいおい泣(な)き出(だ)したうら島(しま)太(た)ろうは、おとひめからもらった玉(たま)手(て)箱(ばこ)を思(おも)い出(だ)しました。
「この玉(たま)手(て)箱(ばこ)には、何(なに)か入(はい)っているにちがいない。おとひめは開(あ)けるなと言(い)ったが開(あ)けてみよう」
うら島(しま)太(た)ろうがおそるおそる玉(たま)手(て)箱(ばこ)を開(あ)けると、もくもくとけむが出(で)てきて、うら島(しま)太(た)ろうはおじいさんになってしまいました。
玉(たま)手(て)箱(ばこ)の中(なか)には一(いり)まいの手(て)紙(がみ)が入(はい)っていてこう書(か)いてありました。
「うら島(しま)太(た)ろうさん、玉(たま)手(て)箱(ばこ)を開(あ)けてしまいましたね。玉(たま)手(て)箱(ばこ)には、りゅう宮(ぐう)じょうですごした三(さん)百(びゃく)年(ねん)の時(じ)間(かん)がつまっていたのです。年(とし)老(お)いた体(からだ)では大(たい)変(へん)でしょうから、りゅう宮(ぐう)じょうで一(いっ)しょにくらしませんか？」
うら島(しま)太(た)ろうは、この後(あと)りゅう宮(ぐう)じょうにもどりおとひめやかめと末(すえ)長(なが)く一(いっ)しょにくらしましたとさ。
めでたしめでたし

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